展示作品
《神話より(4)》
芥川(間所)沙織は、1950年代初めころから野口道方にろうけつ染めを学んだ。1950年代の終わりまでに多くの染色画を発表したが、55年頃からは日本の民話や神話というテーマに取り組み始めた。本作では、赤い洞窟のような場所で、植物あるいは昆虫のような生き物が3匹うごめいている。日本の神話に触発された作品だが、暗い場所から抜け出そうとする女性の叫びが聞こえてくるようである。
《二人の女》
芥川(間所)沙織は1959年9月にアメリカへ渡り、改めて美術を学びはじめた。特に1961年、ニューヨークのアート・ステューデント・リーグで油彩による抽象画を学ぶと、以後は染色画をやめ、人体に基づく抽象画に専念した。「女」というテーマは、初期から晩年まで繰り返し描いているが、この頃には抽象化された女の形態表現に取り組んでいる。