展示作品
「古いもの、プリミティーフなものは何でも大好きで、よく博物館に土偶や仏像を見に出かけます。又ピカソやシケイロスや宗達や北斎の仕事に、それぞれひどく感動して、そんな仕事がしたいと考えています。」(「美術手帖」1956年3月)と語る芥川沙織は、『日本民族伝説全集』(1955年、藤沢衛彦監修、河出書房)も愛読しており、この頃、古事記や民話から題材を選び、塗り直しの利かない染色の技法で豊潤闊達な神話世界を生み出していた。本作は、イザナギとイザナミの国生みの談のごとく8つの神々や禽獣が繰り広げるドラマをコントラストの利いた色調と奔放な形線よって表現しており、原始的で神秘に満ちた音楽が聞こえてくるようでもある。